【SNS採用の成功事例 Vol.5】ギャル人事はバズらせたい

こんにちは!中小企業診断士の西村星彌(合同会社CLEMA)です。
「人が採れない!」
人事担当者様の悲鳴にも似たその声は、今や業界を問わず聞かれるようになりました。労働人口の減少、求職者の価値観の多様化…その中で、企業が求める人材と出会うためのアプローチは、これまで以上に多様性が求められています。特に、若年層へのリーチを考えた時、SNSはもう「やるかやらないか」ではなく、「どう使いこなすか」のフェーズに入っています。
しかし、「どうすればSNS採用で成果を出せるのか…?」多くの企業様が、その問いに対して明確な答えを見つけられずにいるのではないでしょうか。
そんな中、今回リクレマが注目したのは、TikTokというプラットフォームで、従来の採用活動の常識を心地よく裏切りながら、見事に「バズる」ことに成功しているアカウント「ギャル人事(@gal_jinji)」さんです。
Contents
「採用アカウント=真面目」はもう常識じゃない?既存の枠を軽やかに超える「ギャル人事」!
皆様は「採用アカウント」と聞いて、どんなイメージをお持ちでしょうか?
「企業理念を真面目に語る…」
「社員インタビューで会社の魅力をアピール…」
「福利厚生や制度について丁寧に説明…」
おそらく、多くの方がそんなイメージをお持ちだと思います。いわゆる「ちゃんとした」発信。それが当たり前でした。
しかし、「ギャル人事はバズらせたい」は、その既成概念を鮮やかに打ち破ります。
- アカウント名: @gal_jinji
- プラットフォーム: TikTok
- コンセプト: 企業の採用担当者が「ギャル」という親しみやすいキャラクターを通して、仕事の裏側や日常の風景、等身大のメッセージを、飾らない言葉と流行のスタイルで発信。
真面目一辺倒ではない、むしろその真逆を行くようなこのアプローチ。なぜこれが、ターゲットである若年層の心を鷲掴みにし、採用成功へと繋がっているのでしょうか?その秘密を、中小企業診断士が徹底解剖していきます!
成功要因1:キャラ立ち最強!「並木さん」と「カメラマン」の絶妙な掛け合い
「ギャル人事」最大の成功要因は、単に「ギャル」というキャラクター設定だけではありません。そこには、主人公である「並木さん」の魅力を最大限に引き出す、カメラマンとのユーモラスな「イジり」の構図が隠されています。
動画を見ると、カメラマンの問いかけやツッコミに対し、並木さんがギャルならではの等身大のリアクションを返す場面が多々見受けられます。飾らない言葉のチョイスや表情が、並木さんの人間的な魅力を前面に押し出しています。
この絶妙な掛け合いが、視聴者に「あ、この人、素で面白い!」「並木さんと一緒に働いたら楽しそう!」という強烈な印象を与え、「並木さん」という個人へのファン化を促しています。企業への興味だけでなく、「この人と一緒に働きたい」という具体的な感情まで喚起する、まさに採用活動におけるキラーコンテンツと言えるでしょう。
成功要因2:お決まりのフレームワークの確立
このアカウントにはいくつかのお決まりのフレームワークがあります。
会議室のガラスをガンガン叩く→「今日も怒ってるんですけど」→会社のルールや制度を守っていない社員に対する人事からのツッコミ→会社の制度等を間接的にアピール
エンタメ性がありながら自然と会社紹介ができるこのフレームワーク、「うまいなあ」と感心しております。
このフレームワークを継続することで、視聴者の中で「待ってました」の感情を持たせることができるので、この継続こそが成功要因の一つと言えます。
成功要因3:アカウント名が「物語」を語る!現代SNSのトレンド
「ギャル人事はバズらせたい」のアカウント名にも、実は現代のSNSトレンドが凝縮されています。
近年TikTokを中心に「就職したらどう森みたいな職場だった件について」「私が働くところみてて」のように、アカウント名自体が「何をしているか」「何を伝えたいか」「どんな状況か」を端的に表現しているケースが増えています。
関連記事:
【SNS採用の成功事例 Vol.2】就職したらどう森みたいな職場だった件について。
【SNS採用の成功事例 Vol.3】私が働くところみてて
これは、単なる社名や部署名だけのアカウントに比べて、以下のような点で優位性があると考えられます。
- 興味を惹きつけるストーリー性: アカウント名だけで「ギャルが人事やってて、バズらせたいと思ってるんだな」という背景や目的が伝わり、視聴者の好奇心を刺激します。
- 検索・発見されやすさ: 漠然とした社名よりも、具体的なキーワード(ギャル、人事など)が含まれることで、関連性の高いユーザーにリーチしやすくなります。
- 人間味と親近感: 「バズらせたい」という意思表示は、中の人の人間性を感じさせ、機械的な企業アカウントとは一線を画します。
このように、アカウント名一つにも工夫を凝らすことで、視聴者の心理に訴えかけ、より強いエンゲージメントを生み出しているのです。
【中小企業が応用する際の課題】属人化リスクと「代行」という選択肢
「ギャル人事」の成功要因が「並木さん」という個人のキャラクターに大きく依存していることは明白です。
しかしこの点は、中小企業がSNS採用を考える上で、大きな課題となり得ます。
- 属人化のリスク:キーパーソンの退職は致命傷に
もし自社の社員一人を「顔」としてSNS運用を始めた場合、その担当者が退職してしまえば、アカウントの魅力や継続性が大きく損なわれる可能性があります。特に中小企業の場合、代替人材の確保が難しいケースも少なくありません。 - 運用リソースの課題:通常業務との両立は至難の業
「ギャル人事」のようなクオリティと頻度での動画投稿は、企画・撮影・編集に膨大な時間と労力がかかります。通常の人事・採用業務を抱えながら、これを継続するのは非常に困難です。
そこで、中小企業様が検討すべきは、SNS採用の「代行」という選択肢です。
専門の代行会社であれば、
- 属人化リスクの軽減: 特定の個人に依存しない、持続可能なコンテンツ戦略を提案。もし「中の人」の交代があっても、スムーズな引き継ぎとアカウントの継続性をサポートします。
- プロによる企画・撮影・編集: 流行を押さえつつ、貴社の魅力を最大限に引き出す高品質なコンテンツを制作。
- 安定した運用体制: 継続的な投稿と効果測定により、PDCAサイクルを回し、成果最大化を目指します。
もちろん、代行会社に依頼する際も、貴社の「中の人」の協力は不可欠ですが、企画や制作の負担をプロに任せることで、貴社は採用戦略の本質に集中できるメリットは計り知れません。
あなたの会社も始めてみませんか?
SNS採用は、始める企業が少ない、始めても途中で諦めてしまう中小企業がたくさんいます。
このブログでは今後も、「中小企業でもすぐ実践できるSNS採用の事例とノウハウ」をたっぷり紹介していきますのでぜひチェックしてくださいね!
採用に悩む企業さまは、ぜひ【リクレマ】のページもチェックしてみてください!
次回の記事もどうぞお楽しみに!

保有資格:中小企業診断士(国内唯一の経営コンサルティングの国家資格)
合同会社CLEMA 代表
大手レコード会社、日本酒メーカー、経営コンサルティング会社を経て合同会社CLEMAを設立。SNS採用、SNS集客を中心に中小企業の支援している。公的機関でのコーディネーターも行っており、年間300社以上の中小企業の相談対応を行っている。


