SNS採用で見るべき数字は?Instagram・TikTok・YouTubeのインサイト分析を解説
こんにちは!中小企業診断士の西村星彌(合同会社CLEMA)です。
企業でInstagramやTikTok、YouTubeを運用していると、
「この動画、1万回再生されました!」
「フォロワーが1000人突破しました!」
といった数字に目が向きがちです。
もちろん、たくさんの人に見てもらうことは大切です。
しかし、SNS採用の目的は、再生数やフォロワー数を増やすことではありません。
最終的には、
会社を知ってもらう
↓
興味を持ってもらう
↓
採用ページを見てもらう
↓
応募してもらう
という流れを作る必要があります。
そこで重要になるのが、各SNSに用意されている「インサイト」や「アナリティクス」と呼ばれる分析機能です。
ただ、実際に管理画面を開いてみると、
「リーチって何?」
「インプレッションと再生数は違うの?」
「視聴維持率ってなんだ?」
と、聞き慣れない言葉がたくさん出てきます。
今回は、SNS採用でよく利用されるInstagram、TikTok、YouTubeについて、インサイトで表示される主な用語の意味と、採用活動ではどのように数字を見ればよいのかを解説します。
Contents
そもそも「インサイト」とは?
インサイトとは、自分たちのSNSアカウントや投稿が、ユーザーにどのように見られ、どのような反応をされたのかを確認するための分析データです。
たとえば、
・何人に投稿が届いたのか
・何回動画が再生されたのか
・何人がプロフィールを見たのか
・何人がリンクをクリックしたのか
・どの動画が最後まで見られたのか
といったことを確認できます。
SNS運用では、単に投稿するだけではなく、
投稿
↓
数字を確認
↓
原因を考える
↓
次の投稿を改善する
という流れを繰り返すことが重要です。
ただし、SNSによって使われている言葉や確認できる数字が少しずつ異なります。
ここからは、媒体ごとに見ていきましょう。
Instagramのインサイトで出てくる主な用語
Instagramは、リールで新しい人に会社を知ってもらい、プロフィールや固定投稿、ストーリーズなどで会社への理解を深めてもらいやすい媒体です。
採用活動では、「投稿が見られたか」だけではなく、「そこから会社に興味を持ってもらえたか」を確認することが重要です。
リーチ
リーチとは、投稿を見たアカウントの数です。
たとえば、一人のユーザーが同じ投稿を3回見た場合でも、リーチとしては基本的に1アカウントとして考えます。
つまり、
「何回表示されたか」
ではなく、
「何人に届いたか」
を見る数字です。
採用SNSでは、まずどれくらいの人に会社の投稿を届けられているのかを確認する基本的な指標になります。
インプレッション・閲覧数
インプレッションとは、投稿などがユーザーの画面に表示された回数です。
リーチとの大きな違いは、同じ人が複数回見た場合もカウントされる点です。
たとえば、
100人が1回ずつ見た
→リーチ100、表示回数100
100人が平均2回見た
→リーチ100、表示回数200
というイメージです。
Instagramでは画面や投稿形式によって「閲覧数」など別の表現が表示される場合もありますが、「何回コンテンツが見られたか」を確認する指標と考えると分かりやすいでしょう。
インタラクション
インタラクションとは、ユーザーが投稿に対して行った反応です。
代表的なものは、
・いいね
・コメント
・保存
・シェア
などです。
単に投稿が表示されただけではなく、ユーザーが何らかの行動を取ったことを示します。
採用SNSであれば、社員紹介を保存した人が多かった、職場の面白い動画がシェアされた、といった投稿ごとの反応を見ることができます。
保存
保存とは、ユーザーが「あとでもう一度見たい」と思い、Instagram内に投稿を保存した回数です。
美容や料理などのノウハウ系アカウントでは特に重要な数字ですが、採用SNSでも参考になります。
たとえば、
・募集要項
・福利厚生
・社員の一日
・会社説明会のお知らせ
など、あとから見返す価値がある情報は保存されやすい傾向があります。
シェア
シェアとは、その投稿が他のユーザーへ共有された回数です。
採用SNSでは、
「この会社面白い」
「この会社、友達に合いそう」
と思った人が、友人などへ動画を送るケースもあります。
再生数だけでは見えない「人に教えたくなる投稿かどうか」を判断する材料になります。
プロフィールへのアクセス(超重要)
プロフィールへのアクセスとは、投稿を見たユーザーなどが、企業のInstagramプロフィールを見に来た回数です。
SNS採用では、私はかなり重要な数字だと考えています。
なぜなら、
「動画を見た」
↓
「この会社は何だろう?」
↓
「プロフィールを見た」
という、会社への興味が生まれたことを表す数字だからです。
10万回再生されたのにプロフィールへのアクセスがほとんどない場合、動画そのものは面白くても、会社への興味にはつながっていない可能性があります。
外部リンクのタップ(超重要)
プロフィールに設置している採用サイトや求人ページなどのリンクが押された回数です。
プロフィールアクセスより、さらに一段階強い行動です。
投稿
↓
プロフィール
↓
採用ページ
まで移動しているため、採用活動では重要な数字になります。
プロフィールへのアクセスは多いのに外部リンクが押されていない場合は、プロフィールの内容や採用ページへの誘導方法を見直す余地があります。
フォロワー
フォロワーについては、人数だけでなく、増減や年齢層、地域、アクティブな時間帯などを確認できる場合があります。
採用したい人材と実際のフォロワー層が一致しているかを見ることが大切です。
たとえば20代を採用したいにもかかわらず、フォロワーの大部分が40代以上であれば、投稿内容や企画を再検討した方がよいかもしれません。
Instagramでは、リーチ、プロフィールへのアクセス、リンクのタップ、各種インタラクションなどを確認できます。
TikTokのインサイトで出てくる主な用語
TikTokは、フォロワー以外にも投稿が広がりやすく、これまで自社を知らなかった人への認知拡大に向いています。
TikTok Studioでは、投稿のパフォーマンスに加えて、視聴者やフォロワーの属性、活動時間なども確認できます。
動画の視聴数
動画が再生された回数です。
もっとも分かりやすい数字ですが、SNS採用では再生数だけで成功・失敗を判断しないことが重要です。
100万回再生されても採用ターゲットにまったく届いていなければ、採用にはつながらないこともあります。
一方、1万回程度でも、地元の若者や採用したい職種の人に届いているのであれば価値があります。
プロフィールの表示回数
ユーザーがTikTokのプロフィールページを開いた回数です。
Instagramと同様、
「動画が面白かった」
から、
「この会社についてもっと知りたい」
へ進んだことを確認する数字です。
採用TikTokでは、再生数とあわせて確認したい指標です。
総視聴者数・新規視聴者数
動画を見た人数を示す数字です。
新規視聴者数は、選択した期間にあなたの投稿を初めてみた視聴者の数です。
再生数が大きくても視聴者数がそれほど多くない場合、一部の人が繰り返し見ている可能性も考えられます。
平均視聴時間
1回の視聴につき、平均して何秒程度動画を見てもらえたかを示す数字です。
たとえば30秒の動画で、
平均視聴時間5秒
であれば、多くの人が冒頭で離脱している可能性があります。
平均視聴時間25秒
であれば、比較的最後まで見てもらえていると考えられます。
ショート動画では、この数字を改善するために、
・冒頭を短くする
・結論から始める
・無駄な間を削る
・続きが気になる構成にする
といった工夫を行います。
継続率
動画のある時点で、何%の視聴者がまだ動画を見続けているかを表す数字です。
たとえば動画開始時に100人いたとして、10秒地点で50人残っていれば、その地点では約半分の人が視聴を続けていることになります。
動画のどこで視聴者が離れているのかを確認できるため、
「この説明部分で一気に離脱している」
「社員同士の会話になると見続けてもらえている」
といった改善材料になります。
いいね数
動画に対して「いいね」が押された回数です。
分かりやすい反応ではありますが、採用SNSでは「いいねが多い=採用につながる」とは限りません。
エンタメ動画はいいねが集まりやすい一方で、仕事内容の説明動画は再生数やいいねが少なくても、応募検討者には重要な情報になる場合があります。
コメント数
動画に寄せられたコメントの数です。
採用SNSでは、数だけでなく内容を確認することが重要です。
たとえば、
「楽しそうな会社」
「ここで働きたい」
「求人募集していますか?」
「この仕事って未経験でもできますか?」
といったコメントがあれば、会社への興味が生まれていることが分かります。
シェア数
動画が他のユーザーに共有された回数です。
TikTokでは動画を友人へ送る行動も多いため、企業の認知拡大につながる指標の一つです。
特に採用では、「この会社お前に合いそう」と友人同士でLINE等で共有される可能性もあります。
フォロワーアクティビティ
フォロワーがTikTokを利用している時間帯や曜日などを見るためのデータです。
投稿時間を考える際の参考になります。
ただし、「フォロワーが19時に多いから必ず19時投稿」と機械的に決める必要はありません。
投稿内容やターゲットによっても結果は変わるため、実際に投稿しながら試していくことが大切です。
YouTubeのアナリティクスで出てくる主な用語
YouTubeでは、YouTube Shortsと通常の長尺動画の両方を活用できます。
採用SNSでは、
Shortsで会社を知ってもらう
↓
社員インタビューや会社紹介を見る
↓
会社への理解を深める
という使い方もできます。
YouTubeは視聴時間や視聴維持率など、動画そのものを細かく分析しやすいのが特徴です。
視聴回数
動画が視聴された回数です。
YouTube Shortsでも分かりやすい基本指標ですが、TikTokと同様、視聴回数だけで良し悪しを判断することはおすすめしません。
「誰に」「どれくらい深く」見られたのかも確認します。
エンゲージビュー
Shortsで、最初の数秒だけではなく、そのまま動画を見続けた視聴回数です。
単純な視聴回数よりも、
「流れてきた動画をすぐ飛ばさず、ある程度見てもらえたか」
を見るための数字として活用できます。
平均視聴時間
一人あたり平均してどれくらいの時間、動画が視聴されたかを示します。
30秒のShortsを平均20秒見てもらえているのか、5秒しか見てもらえていないのかでは、動画への興味が大きく異なります。
YouTubeでは、視聴時間を動画改善の重要な材料として確認できます。
視聴者維持率
動画のどの部分まで視聴者が残っているのかを見る指標です。
YouTubeではグラフで確認でき、
急に下がっている部分
→離脱やスキップが発生している可能性
山になっている部分
→繰り返し見られたり、共有されたりしている可能性
があります。
採用動画であれば、
「会社概要で離脱している」
「社員の本音トークはよく見られている」
といったことが分かります。
総再生時間
ユーザーが自社の動画を視聴した時間の合計です。
動画一本だけではなく、チャンネル全体としてどれくらいユーザーの時間を獲得できているかを見ることができます。
長尺の会社紹介や社員インタビューを運用する場合には特に参考になります。
チャンネル登録者
YouTubeチャンネルを登録したユーザー数です。
採用SNSでは登録者数そのものを目的にする必要はありませんが、
「どの動画から登録者が増えたのか」
を見ることで、継続して会社の動画を見たいと思われた企画を把握できます。
トラフィックソース
視聴者がどこから動画を見つけたのかを示すデータです。
たとえば、
・Shortsフィード
・YouTube検索
・関連動画
・外部サイト
・チャンネルページ
などです。
採用動画が検索から見られているのか、Shortsから偶然発見されているのかによって、動画の役割も変わってきます。
結局、SNS採用ではどの数字を見ればいい?
ここまでたくさんの用語をご紹介しました。
ただ、中小企業が毎月すべての数字を管理する必要はないと思っています。
SNS採用では、まず、
「見られた」
↓
「興味を持たれた」
↓
「行動された」
という3段階で考えると分かりやすいです。
見られた
→リーチ、閲覧数
興味を持たれた
→保存、シェア、プロフィールアクセス
行動された
→外部リンクのタップ
TikTok
見られた
→動画視聴数、ユニーク視聴者数
興味を持たれた
→平均視聴時間、視聴維持率、コメント、シェア
行動された
→プロフィール表示、採用ページへの移動
YouTube
見られた
→視聴回数、フィード表示回数
興味を持たれた
→視聴を選択した割合、平均視聴時間、視聴者維持率
行動された
→チャンネル登録、採用ページへの移動
媒体ごとに名前は違いますが、考え方はほぼ同じです。
SNSの管理画面だけを見て終わらない
そして、SNS採用において一番重要なのは、InstagramやTikTok、YouTubeの数字だけを見て終わらないことです。
本当に確認したいのは、
・採用ページへのアクセス数
・会社説明会への申込数
・応募数
・面接数
・採用数
です。
たとえば、
TikTokで100万回再生
フォロワー5,000人
コメントも大量
という状態でも、応募が半年間0件なのであれば、採用SNSとして成功しているとは言いにくいでしょう。
一方、
フォロワー300人
動画は平均5,000回再生
だったとしても、面接で
「TikTokを見て応募しました」
という人が毎月出ているのであれば、十分に意味があります。
SNSの数字は、あくまで応募までの途中経過です。
毎月見る数字は5つくらいでもいい
私自身、中小企業のSNS支援をしていて感じるのですが、毎月20個、30個と数字を記録しても、ほとんどの企業は続きません。
最初は、
・動画の閲覧数
・プロフィールアクセス
・外部リンクのタップ(採用ページへの遷移数)
・フォロワー数
・SNS経由の応募数
くらいでも構いません。
そして毎月、
「なぜこの動画は伸びた?」
「なぜプロフィールまで来なかった?」
「リンクは押されたのに、なぜ応募されなかった?」
と考えます。
大切なのは、立派な分析レポートを作ることではありません。
数字を見たあとに、
「では、来月は何を変えるか」
まで決めることです。
まとめ:数字の意味を理解すると「次に何をするか」が見えてくる
Instagram、TikTok、YouTubeには、それぞれ多くの分析指標があります。
最初は専門用語ばかりで難しく感じるかもしれません。
しかし、大きく分ければ、
どれくらいの人に届いたのか。
どれくらい興味を持ってもらえたのか。
そこから会社について調べてもらえたのか。
という流れを確認しているだけです。
再生されていないのであれば、企画や冒頭を改善する。
再生されているのにプロフィールへ来ないのであれば、会社への興味につながる内容を増やす。
プロフィールまで来ているのに採用ページへ進まないのであれば、プロフィールや導線を見直す。
採用ページまで来ているのに応募されないのであれば、求人内容そのものを見直す。
数字の意味が分かるようになると、SNS採用で「次に何を改善すればよいか」も見えやすくなります。
SNS採用の分析までできていますか?
SNS採用支援「リクレマ」では、動画を作って投稿するだけではなく、Instagram、TikTok、YouTubeの数字を確認しながら、企画や採用導線の改善まで支援しています。
「投稿しているけれど、数字の見方が分からない」
「再生数は増えたけれど、採用につながっていない」
「そもそも自社では何をKPIにすればよいか分からない」
という企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
現在のSNSアカウントだけではなく、採用方法や応募までの導線も確認したうえで、追いかけるべき数字を一緒に整理します。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

保有資格:中小企業診断士(国内唯一の経営コンサルティングの国家資格)
合同会社CLEMA 代表
大手レコード会社、日本酒メーカー、経営コンサルティング会社を経て合同会社CLEMAを設立。SNS採用、SNS集客を中心に中小企業の支援している。公的機関でのコーディネーターも行っており、年間300社以上の中小企業の相談対応を行っている。

